上村愛子の「一段一段」。

コピーライターとよだ

2010年02月19日 22:28

四年に一度のオリンピックに対し、12年以上努力を続け、一つずつ順位を上げ、
メダル圏内に辿り着くも、またしても一つだけ順位が上がり、あと一歩メダルに
届かなかった彼女が、競技を終えて語ったこの言葉。

やはりこの言葉にはただならぬ重みがありますね。

だからこそほとんどの国民が、メダルという結果にこだわらず、彼女の健闘を称
えているのでしょう。

しかしこの
「一段一段」
という言葉に現実へのもどかしさを込められるのは、世界の頂点を目指すアスリ
ートだけとは限りません。

何らかの理想を持って仕事や就職活動に臨み、理想と現実の間(はざま)で戦い続
ける全ての人にも言えるはずです。

とはいえこの国の大半の人々は、大した根拠のない形骸的な常識に毒され、25歳
や30歳といった年齢だけで画一的に線引きして、「その歳で定職に就いてなけれ
ばダメ人間!!」と決めつけます。

そーゆー人達って、例えば36歳までバイトした大杉漣や、50代後半まで低迷して
いた大滝秀治といった大物俳優を前にして「そんな生き方はダメだ!!」と、否定
できるのでしょうか?

…一度己の胸に手を当てて考えてみて欲しいものです。

そして願わくば、トップアスリートへの寛大な眼差しを、
「理想に向かって現実と戦う」
全ての人にも向けて欲しいものです。

だって世の中は何も、世界の頂点を目指すアスリートでなくても、やりたい仕事
をやってるだけで周りの人々を感動させられる人だっているのだから。


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